こちらで説明しましたように本来は体の敵ではないのに牛乳や卵、小麦などを敵と勘違いして攻撃しようとするのがアレルギーです。牛乳が嫌いなどという好き嫌いとは別物です。
アレルギーが起こる流れ
食べ物アレルギー(牛乳)の場合
①牛乳を飲みます。牛乳が体に入るのは本来何ともないことです。
②敵が入ってきたと勘違いをして免疫機能が働き攻撃するように武器を作る指令を出します。
③敵(牛乳)を攻撃するための武器(抗体)が作られ攻撃する準備をします。
④再び牛乳を飲んだ時に武器(抗体)が牛乳の成分(アレルゲン)を攻撃します。
⑤アレルギー反応として体に現れます。
アレルギー反応とはひとつではありません
アレルギーを起こすと咳が止まらなくなったり、唇や口の中・喉が腫れたり、顔や体に湿疹や蕁麻疹(じんましん)ができるなど様々な症状が体のいろいろなところに現れます。
アレルギーにはいろんな病気がある
体の様々な部位にアレルギー反応として症状が出ます。
症状にはアナフィラキシーショックといって全身に突然症状が現れる命に関わるものもあるので軽く見てはいけません。
そしてアレルギーを起こす原因になる様々なものがあります。
食物アレルギー
字のごとく食べ物が原因となって引き起こされるものです。
卵や牛乳を含む乳製品、ナッツ類、カニやエビなどの甲殻類、そばなどが代表的な原因として知られています。その食べ物が原因で腹痛を起こしたり、吐いてしまったり唇や喉が腫れあがったり、蕁麻疹(じんましん)が出たりと全身に様々な症状として現れます。呼吸が苦しくなったり、気を失ったり、顔色が悪くなったりと強く症状が出ることもあります。
喘息(ぜんそく)
呼吸器官に現れる症状です。
ダニやほこり、カビやペット、冷たい空気や寒暖差のあるところ、激しい運動をしたときなどに気道が狭くなって喉がゼーゼーしたりヒューヒューしたり、咳が出てしまうなどの症状が出ます。
花粉症・アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎
目や鼻に出るアレルギーのことです。
ダニや杉・シラカバなど植物の花粉が原因で目が赤くなったり痒くなったり、鼻水が出るなどの症状が出ます。
春にみられる杉やヒノキなどの花粉が原因で出るアレルギーは花粉症と言われ、季節に関係ないとされるものが原因の物はアレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎と言われます。
アトピー性皮膚炎
皮膚に出る症状です。
喘息や食べ物アレルギーと同様にダニやほこり、食べ物や汗、空気の汚れや疲れなどが原因で皮膚が痒くなったり湿疹が出たり、ジクジクするなどの症状が出ます。
原因は一つではなく様々な原因が重なって症状が出る場合が多いです。
虫アレルギー
蚊や毛虫などの虫に刺されたり触ったり、蛾や蝶などの鱗粉(羽の表面についている粉のようなもの)を吸い込んでしまうと肌が痒くなったり赤く腫れあがったりします。
はち毒アレルギー
蜂に刺されてその毒が体内に入り呼吸困難や全身が腫れたり嘔吐(おうと)したりと命に関わる症状が出る場合があります。
ラテックス(天然ゴム)アレルギー
ゴム手袋や風船などゴム製品に触れたことが原因で皮膚にかゆみをもたらしたり、腫れたり赤くなったり鼻水が出たりします。
こんな時は要注意!命に関わる危険もある
・強い咳が続く
・声がかすれる(嗄声)
・ぐったりする
・脈が測れない
・尿失禁や便失禁をする
・顔色が悪い
・意識がもうろうとしている
・呼吸しにくい
・嘔吐を繰り返す
・喉や胸が締め付けられるような苦しさがある
・犬が吠えるような咳やゼーゼーした呼吸をしている
・強い腹痛
体内にアレルギーを引き起こす原因となる物質が入ることでこれらの症状がみられる場合があります。このように全身に強いアレルギー反応が出ることをアナフィラキシーショックといいます。命に関わる重篤な場合もあるため、これらの症状が一つでも見られたら迅速な手当てが必要となります。