なぜ汗をかくの?
運動したときや暑いときには体温を調節するために汗をかきます。これは体温を37度前後に保つための生理現象です。また熱いものや辛いものを食べたときに首や鼻などにかく汗も同様の現象です。
感情面では緊張や不安などを感じた時にはわきの下や手のひらなど局所に汗をかきます。冷や汗も同様で、心理的なものと自立神経の乱れがこれに関与していると考えられています。
汗の種類とは?実は無臭
汗をかいたとき感じる不快感の要素の一つとしてニオイがあります。
実はこれは汗自体のニオイではありません。汗が皮膚の表面で皮脂や垢などと交じり合うことにより、これを細菌によって分解されることでニオイなどの原因となっているのです。
汗は皮膚の汗腺からできています。この汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺という二種類があり、普段かく汗自体は無臭です。
エクリン腺
全身のほとんどの部位に分布しており、主に体温調節のために汗を出す汗腺で無臭です。
アポクリン腺
エクリン腺が体のほとんどの部位に分布されているのに対してアポクリン腺は体の限られた部分にあります。特に多のはわきの下です。アポクリン腺からである汗は濁っていて、ニオイのもととなる皮脂やたんぱく質の成分を含んでいます。
汗をかく原因
冒頭でも説明しているように汗の出る原因として様々な要因があります。
わきはエクリン腺とアポクリン腺二つが存在する特殊な部位です。続いては発汗の原因として3つに分けて説明していきます。
生理機能としての発汗
エクリン汗腺からの発汗で運動したときや暑いときなど体の体温が上昇したときに平熱に戻そうとする必要な汗です。手のひらや足の裏を除いた全身から持続的に発汗します。1時間に2リットルも発汗することがあります。
心理的な発汗
エクリン腺とアポクリン腺からの発汗でストレスや緊張などの心理面への刺激によってかく汗です。汗が出る部位としてはわきの下のほか手のひらや足の裏などの限られた部位で短時間に発汗します。
また疲れによっても引き起こされることがありますがこれは血中のアンモニアの濃度が高くなりそこに汗と交じり合うことでツンっとしたニオイを発生させます。これは「ストレス臭」「疲労臭」とも呼ばれています。
味覚の刺激による発汗
エクリン腺からの発汗で辛い物など額や鼻にかく汗のことです。
汗をかかないことによる汗腺の機能低下
汗をかく原因について説明しましたが、逆に汗をかかないことによって起こる弊害もあります。
あまり体を動かさなかったり汗をかかない暮らしをしていると汗をかく汗腺の機能が低下します。加齢によっても低下しますが、この機能低下によって出る汗は悪い汗です。サラサラな汗とは違ってべたついた汗で不快を感じることもありますしニオイの原因となります。また体温調節機能に異常をきたした状態になってしまうので、温度変化にも対応できず夏場であれば熱中症のリスクも上がってしまいます。
汗のニオイ対策
汗のもとのニオイはないといっても気になるものです。そこで次はそのニオイ対策について触れていきたいと思います。
制汗剤で汗をコントロールする
制汗剤は肌に直接使うものでスプレーやロールオンのもの、ほかにもクリームやスティックのもの様々な種類があります。ライフスタイルや利用のシーンによって使い分けたり組み合わせて快適に使うことができます。
スプレータイプ
汗をかいた後のニオイが気になるときに吹きかけて脇や背中も瞬時にリフレッシュできます。手軽に使え香りが豊富で汗をかいたニオイを抑えるのにも効果的です。
・全身のニオイを抑える
シートタイプ
外出しているとき汗やべたつが気になるときにサッともふき取ることがでさっぱりできます。
・運動後にすぐシャワーを浴びたり汗を流せないとき
ロールオンタイプ
出かける前など汗をかく前に使用するのがオススメです。手を汚さずに手軽に直塗できて長時間汗を抑える効果が期待できます。
外出先でニオイのケアをしたいとき
クリームタイプ
指でしっかり塗ることで肌にしっかり密着その密着が高く、汗や水分出で落ちにくいため持続性があります。
・塗り直しが難しいとき
・汗をかきやすい日の出かける前
スティックタイプ
手を汚さずに直塗できて防臭効果が持続します。
・外出先でのニオイのケアをしたいとき
・塗り直しができないとき
ポイント
制汗剤は汗をかいた状態で使用するよりも、入浴直後など肌が一番清潔な状態で使用するのがベストとされています。ボディシートなどで汗を拭き取って使用するとよいでしょう。
汗をかいたら早めに拭き取る 一時間以内が理想的!
汗をかいてから一時間程度経過するとニオイを発生しやすくなるために一時間以内にふき取ることが理想です。
汗を拭きとる際、乾いたタオルだとニオイの成分が皮膚に残るため濡れたタオルかボディシートを使うとよいでしょう。
朝の1分間シャワー
寝ている間にでる汗や皮脂、垢などのニオイの元を取り除くとニオイ解消につながります。
お風呂に入るときには5分以上はお湯に浸かる
お風呂に最低5分浸かることによってデトックス効果もありニオイ予防になります。
汗をかく習慣を作る
汗が臭くなる原因として汗腺の衰えがあります。それを防ぐには毎日汗をかいて汗腺を使うことで衰えを防ぎ臭い汗が出るのを防ぐことができます。
汗腺を鍛えるためには甚割ゆっくりと全身に汗をかくのがポイントです。
運動で汗をかくのが理想ですがそれが難しい場合は半身浴やサウナ、岩盤浴などそれぞれの体調や状況に合わせて試してみましょう。
水分をしっかり摂る
体内に水分が十分足りていなければ汗をかけません。脱水状態での汗は凝縮され濃くなります。水分不足が原因で汗が悪臭の原因になります。いい汗をかくためにも充分な水分を摂りましょう。
ポイント
①1日に2リットル目標
②のどが渇く前に飲む
③コーヒーなどのカフェインが入っている飲み物やアルコールは利尿作用がありかえって逆効果になってしまうためお勧めできません。水がオススメです。
食生活を見直す
汗のニオイが強くなる食材を控え、ニオイを抑える食材を積極的に食べるようにしましょう。
ニオイを悪化させる食べ物、控えたほうがいいもの
・アルコール類
・にんにく、玉ねぎ、ねぎ類
・激辛食品
・肉類や脂っこいもの
ニオイを抑える食べ物
・梅干し
・生姜
・緑茶
血流を促進させる生姜や代謝機能を向上させる酢などを取り入れるのもおすすめです。また女性ホルモンには発汗を抑える働きがあります。大豆製品にはその成分に似た働きを持つイソフラボンにより効果が期待できます。ビタミンCを含む野菜や果物、ビタミンEを含むオリーブオイルや玄米を摂るのもよいでしょう。
衣類の素材を気を付ける
汗を止めるのは困難です。汗自体は無色無臭ですがその汗と反応してニオイの元となる雑菌の繁殖を防ぐことが必要です。雑菌は高温多湿の密閉した空間を好みます。通気性のいい衣類を選び雑菌の繁殖を防ぐことが需要です。
オススメの生地は麻、綿、絹などの天然素材の服や体に密着せずふんわりした服が通気性がいいです。
ストレスを緩和できるような自分なりのリフレッシュ法を見つける
現代において避けることが難しいストレスですが、自宅などで簡単に取り入れられる自分なりのリフレッシュ法を見つけるとよいでしょう。
好きな音楽を聴いたり、マッサージを受けたり、適度に体を動かすなど好きなことに没頭する時間を設けてもよいですし、心理的にリラックスできる工夫が必要です。