食品添加物ってなんだろう?
食品添加物とは食品の製造過程や加工・保存の目的で使用されるものでその種類として保存料、甘味料、着色料、香料などがあります。
国として(厚生労働省では)食品添加物の安全性について人の見解を害する恐れのない場合に限り成分の規格や使用基準を定めて使用が認められています。また、使用が認められた添加物についても一人当たりの摂取量を調査するなどの安全確保に留意し務められています。
食品添加物は安全と認められたものしか使用していけないことになっていますがその分類として、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した「指定添加物」と長年使用されてきた「既存添加物」「一般飲食物添加物」「天然香料」に分類されています。
今後新たに加わる添加物については安全性の評価と厚生労働大臣の指定を受け「指定添加物」に加わることになります。
このように添加物と一言に言っても様々な分類がなされることがわかりました。
添加物とは何からできているのか、その種類と使用する目的とその役割について説明してきます。
添加物は何からできているの?どうやってつくられているのか。
食品添加物は食べ物をよりおいしくするために様々な目的に応じて使われるものです。
その中身には見た目をきれいに見せるための着色料、おいしそうな風味をつける香料など多くの種類があります。そしてその作られる過程としては科学的方法で作り出されるものと、天然のものを利用して分解抽出されたものがあります。
昔はなかった食品添加物。なぜ使われるようになったのか
昔は考えられていなかった目的のために現在では加工技術に伴って添加物を使用されるようになってきました。
それには社会的な役割も関係しているのです。
健康維持・増進(低カロリー食、減塩職)、介護食
健康維持のために
糖尿病などによって糖分などを減らすようにしたときに高甘味度甘味料を使用したり、王血圧による減塩のためうま味調味料や塩化カリウムを使うことがあります。
栄養を補助するため
強化剤としてビタミン、ミネラル、アミノ酸が使われます。
介護食や治療食として
水分をとる必要があっても、病気や加齢のため嚥下や咀嚼機能の低下によりむせやすい状況になることがあります。その時に増粘剤使用し食品を調整して嚥下しやすくします。
おいしさや保存性を高めて食品ロスを低減するため
保存料や防火自在などを使用することにより、食品の品質を保ち賞味期限や消費期限を長くすることができます。このことによって食べられる期間が長くなり廃棄につながる機会が減ります。
また、着色料や香料の使用によっておいしくたべられるよういなり、食欲を向上させ、結果食べ残しや廃棄量の減少になります。
非常食など備蓄食品
地震や台風など自然災害が起こった時に缶詰やペットボトル飲料など保存のきく加工食品や調理することなく簡単に飲食できる食品の需要が高くなります。
この食品があることで急な時の食料になり、被災者の安心にもつながり、また備蓄用として長期的に保管できるというメリットがたくさんあります。
製造過程においての環境への貢献
食品を大量生産することで、コストが低く抑えられ、品質や供給の安定化が図られ食品のエネルギー使用量を抑えることができます。食品の大量生産が困難な場では添加物の使用は重要となります。
例えば肉類や野菜類などの生ものの殺菌や保存性を上げるために食品添加物の使用によって大量生産を可能にしていきます。
このことからも食品添加物は製造工程においてエネルギー削減に貢献しているということがわかります。
食品添加物の種類と使用の目的について
食品添加物は1500種類を超える多大な数があります。
その一部ですがその使用する目的と表示されている添加物名を挙げます。
甘味料
食品に甘みを加える
例)キシリトール、アスパルテーム
酸味料
食品に酸味や爽快感をを加える
例)クエン酸、乳酸、炭酸ガス
苦味料
食品に独特の苦みを加える
例)カフェイン、ナリンジン
調味料
食品にうまみなどを与え味を調える
例)グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム
香料
食品に香りを加えおいしさを増す
例)オレンジ香料、バニリン、バニラ香料、レモン香料
着色料
食品に色を付け色調の調節を行う
例)クチナシ色素(赤、黄、青)、食用黄色4号、食用緑色3号、モナスカス、カロテン
保存料
カビや細菌の増殖を抑え腐敗や食中毒を防ぐ
例)ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、しらこたん白抽出物
酸化防止剤
酸化を防ぎ保存を長くできるようにする
例)ビタミンE、ビタミンC、オルトフェニルフェノール、
ph調整剤
食品の品質をよくするためにphを調節する
例)塩酸、水酸化カリウム、乳酸ナトリウム、リンゴ酸
漂白剤
食品を漂白しきれいにする
例)亜硫酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム
発色剤
ハムやソーセージの色を整える
例)亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム
光沢剤
食品の表面に光沢やつやを与える
例)シェラック、ミツロウ、パラフィンワックス
増粘剤、安定剤、ゲル剤、糊剤
食品の形を保ち滑らかさや粘り気を与え舌触りをよくする
例)ペクチン、カルボキシルメチルセルロース、ナトリウム、カラギーナン、カロブビーンガム
防かび剤
かびの発生を防ぐ
例)オルトフェニルフェノール、チアベンタゾール、ジフェニル
イーストフード
パンのイーストの発酵を促進させる
例)リン酸三カルシウム、炭酸アンモニウム
ガムベース
チューインガムの機材に用いられる
例)エルテルガム、チクル
かんすい
中華麺の食感や風味を出す
例)炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム
酵素
食品の製造や加工に使用する
例)アミラーゼ、プロテアーゼ
チューインガム軟化剤
チューインガムの柔軟に保つ
例)グリセリン、ソルビトール
凝固剤
豆腐を作る際に投入を固める
例)酸化マグネシウム、グルコノデルタラクトン、硫酸カルシウム
乳化剤
油と水や乳脂肪などを均一に混ぜ合わせる
例)グリセリン脂肪酸エステル、植物レシチン
膨張剤
ケーキなどをふっくらさせる
例)炭酸水素ナトリウム、焼ミョウバン
栄養強化剤
栄養素を強形を保化する
例)ビタミンC、乳酸カルシウム
消泡剤
泡立ちを抑える
例)シリコーン樹脂、グリセリン脂肪酸エステル
結着剤
肉の組織を改良する
例)ポリリン酸ナトリウム
食品添加物が体に与える影響
上記のように様々な種類の食品添加物があるということがわかりました。
市販のもの例えばコンビニ弁当にはおかず一品につきおよそ20~30種類、お弁当全体では300種類近くの添加物が含まれているといわれています。
動物実験などで発がん性やアレルギーを起こすと認められた添加物であっても食品に使われている量は体に悪影響がないとされる量と定められているそうです。
ですが発がん性やアレルギーを起因する物質と聞くと食品添加物のイメージはあまりいい印象はないのではないでしょうか。「体に悪そう」「控えたほうがよさそう」と摂取することに不安になるのではないかと思います。
添加物といっても例えば、豆腐の製造で欠かすことのできない「にがり」には塩化マグネシウムであり食品添加物です。
このように食品添加物が一概に体に悪影響を及ぼすとは言えません。天然由来のものが体に無害というわけでもありませんし、人工的な添加物が悪いわけでもないのです。
天然由来のものであっても食品添加物として使用が禁止されたものもあります。
実際に人間の体へ及ぼす影響は様々ですので食品添加物の摂取を極力避けるか気にしないかは自己判断に委ねるというのが実情です。
時代とともに多種多様の食品が出て食品添加物を避けて通るのは難しいかもしれません。それに伴い様々な考え方もあるので自分に合った形でうまく付き合っていきたいものです。